社会人 ゲイ ナギの日記

LGBTの問題について考察します

LGBTに対し教育分野で対応が必要な課題

LGBTに対し教育分野で対応が必要な課題

LGBTとは性的指向性自認が大多数の人と異なる、性的マイノリティ(性的少数者セクシャルマイノリティ)にあたる人々を指す言葉です。

性的指向は恋愛対象が誰であるかを示すものとされ、例えば女性が女性を恋愛対象とする女性の同性愛者(レズビアン)や男性が男性を恋愛対象とする男性の同性愛者(ゲイ)、女性と男性どちらも恋愛対象とする両性愛者(バイセクシャル)に分類されます。

それに対して性自認とは身体の性と心の性が不一致となる性同一性障害を表す言葉です。トランスジェンダーとも言われます。

これらは性的マイノリティの一部であり、他にも様々な例が確認されています。 性的マイノリティは多くの場合、思春期、つまり学生時代に気付くものです。

そして周りと自身が違うことから様々な困難に陥るケースが報告されています。特に性自認は身体と心の性の不一致から困惑することも多く、学校生活にも支障をきたすことも少なくありません。

周りもそうした人々に対し、少数派であることから正常ではないと判断し差別的な扱いするケースもあります。 実際に「気持ち悪い」、「男(女)のくせに」などと侮辱的な言葉を投げかけられることもあり、自尊感情を深く傷つけられることもあります。

さらにLGBTの子どもに対して理解を示し、ケアをしていかなければいけない教員でさえ偏見を持たれ他の生徒とは違う態度を取られたなどの例も報告されています。

多くの子どもや教員が1つの場所に集まって生活する学校という環境においては、このLGBTへの教育と対応が大きな課題となっています。

教育現場におけるLGBTへの日本政府の取り組み

LGBTに関する教育分野での課題を受けて、日本政府では教育を含むLGBTへの対応として様々な取り組みを行っています。 2003年には性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律を成立させ、翌年7月に施行しました。

これによれば性同一性障害の定義や性別の取扱いの変更を裁判所でどのような条件で審判するか、また審判を受けた人に関する法令上の取り扱いなどについて規定しています。 この法令はLGBTの、特にトランスジェンダーに対しての対応となります。

これを皮切りに児童に対して教育現場での問題が多数あることが確認されたことから、2010年には、文部省から教育委員会への事務連絡として「児童生徒が抱える問題に対しての教育相談の徹底について」の発出を行っています。

その4年後の2014年には学校における性同一性障害に係る対応に関する状況調査を実施したところ、606件の教育相談などがあったことが報告されました。

そして2015年には「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」を発出し、性同一性障害に係る児童生徒への特有の支援など、具体的事項を取りまとめています。

さらに文部科学省では教職員向け手引きの作成と公表を2016年に行い、2017年にはいじめ防止対策推進法に基づく基本方針の改定が行われ、LGBTへの対応が盛り込まれることとなりました。

このように教育におけるLGBTに関しての政府の対応は進められています。しかし世界的に見ると日本政府は慎重な姿勢を見せていることから、海外と比較するとどうしても遅れている状況にあります。

例えばアメリカでは思春期にあたる中高生のLGBTコミュニティーの組織化を図り、教師を対象としたLGBT教育の徹底、一般人に対しても教育を進め、LGBTであっても過ごしやすい学校環境の構築ができるよう取り組まれています。