社会人 ゲイ ナギの日記

LGBTの問題について考察します

学校でのLGBTの教育対応

学校でのLGBTの教育対応

世界からすれば遅れているとしても、現状はLGBTの子どもがいることは事実であり、その対応が求められています。

そのため先述した「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」をもとに、学校側では学校生活での支援、医療機関との連携、相談所の設置といった教育対応が行われています。

それぞれどのような対応がなされているか紹介します。

学校生活での支援

性同一性障害に係る生徒の支援については、まず入学などにあたって生徒あるいは保護者などから相談を受けた教職員だけでなく、組織的に取り組むことを指示されています。

そのため学校内外においてサポートチームを作り、校内には支援委員会、校外にはケース会議などを適時開催しながら対応を進めています。

また過去の調査から、生徒が性同一性を可能な限り秘匿しておきたいケースがあることに留意しつつ情報共有を行い、チームで対応することが効果的な対応を進めるために不可欠であるとされ、取り組まれています。

当事者である生徒やその保護者に対して、情報を供する意図を十分に説明、相談をして理解を得つつ対応を進めることともされています。

そういった対応をしながら性同一性障害である生徒へ配慮し、自認する性別の制服や衣服、体操服の着用を認める、戸籍上男性の場合は標準より長い髪形を一定の範囲で認める、着替えにおいて保健室や多目的トイレなどの利用を認めるといった様々な支援が行われています。

医療機関との連携

性同一性障害への対応は医療機関との連携も大切です。 医療機関による診断や助言は学校が専門的知見を得る重要な機会になります。

また教職員や他の児童生徒、保護者などに対する説明材料にもなり得ます。 仮に当事者である生徒が性に違和感があり打ち明けたとしても、適切な知識を持っているとは限らない、あるいは性同一性障害の傾向にあるか、その他の傾向があるのか判然としていない場合もあるため、医療機関と連携しつつ支援をすることが求められています。

医療機関での受診は強制できるものではなく、あくまでその生徒が希望しない場合は本人に意志を尊重しなければいけません。

しかし専門家からの情報や助言は重要なものなので、学校としては具体的な個人情報に関連しない範囲での一般的な助言などを専門の医療機関に求めることで、より適切な支援ができるよう取り組まれています。

相談所の設置

先ほど学校側の対応として、校内外におけるサポートチームを作り、支援が行われていることを紹介しました。 実際に行われている支援では、校内のサポートチームの中に教職員や養護教諭、学校医だけでなく、スクールカウンセラーが含まれている現場もあります。

校外であってもスクールソーシャルワーカーや児童福祉を担当する児童相談所の担当者との連携も図られています。 性同一性障害においては打ち明けられず、秘匿して生活している生徒が多くいることがわかっていますが、その原因の1つには相談できる人がいないという現状があるからです。

相談に乗ってくれる人、それを理解してくれる人がいなければ打ち明けることはできません。 打ち明けるかどうかは本人の意思であったとしても、打ち明けられる相談所などの環境があるだけで、その割合は大きく変わってきます。

支援を行うためには、まずそのような生徒から、あるいは生徒の保護者から相談を受け、どのように支援や対応をしていくか話し合っていくことが大切です。 そういった観点から、学校での相談所の設置も支援の一環として、取り組まれています。

  • 学校側では学校生活での支援、医療機関との連携、相談所の設置といった教育対応が行われている
  • 医療機関との連携として、一般的な助言などを専門の医療機関に求めることで、より適切な支援ができるよう取り組まれている
  • 学校側の対応として校内外におけるサポートチームを作り、教職員や養護教諭、学校医だけでなくスクールカウンセラーが含まれている現場もある