SOGIって何?わかりやすく解説!
SOGIとは
SOGIは、Sexual Orientation(性的指向)とGender Identity(性自認)の英語の頭文字をとった頭字語(イニシャル言葉)です。読み方は「ソジ」が一般的ですが、「ソギ」とも言うようです。
LGBTという言い方では、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアルは性的指向についてのマイノリティ、トランスジェンダーは性自認についてのマイノリティであるということが伝わらず、「ゲイの人は心は女性で、女性になりたがっている」などという誤解を招くこともある(性的指向と性自認がごっちゃになりがちである)ため、「性的指向および性自認」という概念(性の要素、尺度)を表す言葉として生み出されました。
また、性的指向および性自認は、セクシュアルマイノリティに限らずすべての人に関わる(ヘテロセクシュアルもシスジェンダーも含む)概念であることから、「LGBTの問題であってストレートには関係ない話」ではなく、誰にでも関係があることなんですよ、と言いやすくなります。「SOGIについて考えてみると、異性愛は多様な性的指向の一つにすぎず、シスジェンダーも多様な性自認のありようの一つであることがわかる」というように。
2011年頃から国際社会で使われるようになり、日本でも2015年頃から紹介されはじめました。2017年のレインボー国会では、SOGIに関連する差別やいじめ、いやがらせ、ハラスメントを指す「SOGIハラ」という言葉が提唱されました。
なお、SOGIは、LGBTに代わる新しいセクシュアルマイノリティの総称ではありませんので、「SOGIの人」といった言い方は誤りです。「SOGIに関するマイノリティ」とか「SOGIに関する差別の解消」「SOGIハラ」という使い方になります。
ちなみに、LGBTが現在、LGBTQとかLGBTQ+といった言い方になってきているように、SOGIについても、SOGIEとかSOGIESCという言い方に変わってきています。EはGender Expression(性表現)、SCはSexual Characteristics(性的特徴)のイニシャルです。
クィアとは!
クィアとは
LGBTQとかLGBTQ+という言い方をした時のQは、クエスチョニング(SOGIが揺れ動いている、迷っている、定まっていない人)やクィアを意味しています。
クィアはセクシュアルマイノリティの総称でもあります(LGBTや性的マイノリティの代わりにクィアと言っても、問題ありません)
ただし、クィアという言葉を用いたときのニュアンス、本来の意味合いは、一言で説明するのが難しい、やや複雑なものだったりします。
以下に、クィアという言葉がどのような意味合いなのか、どのようにしてクィアが用いられるようになってきたのか、と行いったことをお伝えします。
クィア(Queer)とはもともと「風変わりな」「奇妙な」という意味の言葉であり、ゲイやトランスジェンダーに投げかけられる「ヘンタイ」「オカマ」という意味の蔑称でもありましたが、それを逆手に取って、当事者がセクシュアルマイノリティ全てを包括する言葉(総称)として抵抗運動(クィア・ムーブメント)や連帯の合言葉として用いるようになり、ジェンダーやセクシュアリティを包括的に論じる学問(クィア・スタディーズ)にもつながっていきました。
1980年代のエイズ禍の時代、政府の無策によって何万人、何十万人ものゲイ・バイセクシュアル男性たちがなすすべもなく亡くなっていくなかで、レズビアンやトランスジェンダーも一緒になって立ち上がり、ACT UPなどの抗議運動がアメリカや欧州で起こり、そうしたエイズ・アクティヴィズムから、クィア・アクティヴィズムが派生しました。黙っていては、殺される(「沈黙は死」)。これまでのような穏健なやりかたではだめだ。セクシュアルマイノリティが一致団結し、声を上げ、闘っていかなければ。そんなクィア・アクティヴィズムの合言葉は「私たちはここにいるし、私たちはクィアなのよ、それに慣れることね」でした(異性愛者の規範に無理に自分を合わせようとしたり、隠したりするのではなく、異性愛者が理解できないようなセクシュアリティを生きているけどそれがどうした?と、ある意味、開き直り、ポジティブに表現していくスタンスです)
「ヘンタイ」「オカマ」といったセクシュアルマイノリティに対する蔑称を逆手に取った「クィア」は、異性愛中心主義に違和を覚える多様な性のありかたを論じる学問「クィア・スタディーズ」にも波及しました。クィア・スタディーズとは、フーコーや構築主義の理論を援用し、ジェンダーやセクシュアリティを包括的に論じるもので、ゲイやレズビアン自体が特殊なのではなく、社会に跋扈する異性愛規範(ヘテロノーマティビティ)の方こそが問題なのだと批判します。ジュディス・バトラーの「ジェンダーはパフォーマティヴなものである」というテーゼや、イブ・セジウィックの「ホモソーシャル」概念が有名です。
もう少し、クィアについてのいろいろをお伝えしてみます。
トランスジェンダーの方々のなかには、性別適合手術を終えて戸籍上の性別も変更した方の中には、日常生活で「典型的な」男性または女性に見える(パスする)ように努め、トランスしたことをできるだけ気づかれないように生きていこうとする方たちがたくさんいらっしゃいますが、一方で、明らかにトランスジェンダーだとわかるような見た目で外出したり、男性とも女性ともつかないような性表現にこだわる方もいらっしゃいます。どちらかというと、後者の方が「クィア」という言葉によく当てはまります。ゲイがドラァグクイーンとしてパーティに登場するような場合も「クィア」です。異性愛規範を脱構築し、典型的な男/女のありようから隔たっていること、その多様さや豊かさを肯定する態度、と言えるでしょう。ドラァグクイーンなどは特にそうですが、世間から見ると「奇妙」だったり「風変わり」だったりすることこそを讃美し、愛でる価値観です。ドラァグクイーンの中にはストレートの女性(ごくまれに男性)の方などもいらっしゃいますが、身体上の性別やセクシュアリティや性自認は問わず、「クィアネス」を体現していればOKなのです。
日本では、90年代から伏見憲明氏が『クィア・スタディーズ』『クィア・パラダイス』『クィア・ジャパン』『変態(クィア)入門』といった編著作を発表し、90年代ゲイブームを牽引し、世間にクィアということを認知させるうえで計り知れない貢献を果たしてきました。また、アジアンクィア映画祭、関西クィア映画祭などのイベントのタイトルにも「クィア」が採用されてきました(映画は、LGBTの権利というよりも、名指すことが難しいほど多様な性のありようを描くことに価値がある分野であるため、「クィア」という言葉がふさわしいのです)
また、FOXlife(ケーブルTVチャンネル)で放送されていた『クイア・アイ♂♀ダサ男改造計画』も(当時、全く世間に「クィア」なんて浸透していなかったのに)原題の『Queer Eye for the Straght Guy』から「クィア」をそのまま用い、「クィア」を世間に広める一助となってきました(実は『クィア・アズ・フォーク』というアメリカでセンセーションを巻き起こしたゲイドラマの名作もあるのですが、残念ながら日本では未だに放送されていません…)
学校でのLGBTの教育対応
学校でのLGBTの教育対応
世界からすれば遅れているとしても、現状はLGBTの子どもがいることは事実であり、その対応が求められています。
そのため先述した「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」をもとに、学校側では学校生活での支援、医療機関との連携、相談所の設置といった教育対応が行われています。
それぞれどのような対応がなされているか紹介します。
学校生活での支援
性同一性障害に係る生徒の支援については、まず入学などにあたって生徒あるいは保護者などから相談を受けた教職員だけでなく、組織的に取り組むことを指示されています。
そのため学校内外においてサポートチームを作り、校内には支援委員会、校外にはケース会議などを適時開催しながら対応を進めています。
また過去の調査から、生徒が性同一性を可能な限り秘匿しておきたいケースがあることに留意しつつ情報共有を行い、チームで対応することが効果的な対応を進めるために不可欠であるとされ、取り組まれています。
当事者である生徒やその保護者に対して、情報を供する意図を十分に説明、相談をして理解を得つつ対応を進めることともされています。
そういった対応をしながら性同一性障害である生徒へ配慮し、自認する性別の制服や衣服、体操服の着用を認める、戸籍上男性の場合は標準より長い髪形を一定の範囲で認める、着替えにおいて保健室や多目的トイレなどの利用を認めるといった様々な支援が行われています。
医療機関との連携
性同一性障害への対応は医療機関との連携も大切です。 医療機関による診断や助言は学校が専門的知見を得る重要な機会になります。
また教職員や他の児童生徒、保護者などに対する説明材料にもなり得ます。 仮に当事者である生徒が性に違和感があり打ち明けたとしても、適切な知識を持っているとは限らない、あるいは性同一性障害の傾向にあるか、その他の傾向があるのか判然としていない場合もあるため、医療機関と連携しつつ支援をすることが求められています。
医療機関での受診は強制できるものではなく、あくまでその生徒が希望しない場合は本人に意志を尊重しなければいけません。
しかし専門家からの情報や助言は重要なものなので、学校としては具体的な個人情報に関連しない範囲での一般的な助言などを専門の医療機関に求めることで、より適切な支援ができるよう取り組まれています。
相談所の設置
先ほど学校側の対応として、校内外におけるサポートチームを作り、支援が行われていることを紹介しました。 実際に行われている支援では、校内のサポートチームの中に教職員や養護教諭、学校医だけでなく、スクールカウンセラーが含まれている現場もあります。
校外であってもスクールソーシャルワーカーや児童福祉を担当する児童相談所の担当者との連携も図られています。 性同一性障害においては打ち明けられず、秘匿して生活している生徒が多くいることがわかっていますが、その原因の1つには相談できる人がいないという現状があるからです。
相談に乗ってくれる人、それを理解してくれる人がいなければ打ち明けることはできません。 打ち明けるかどうかは本人の意思であったとしても、打ち明けられる相談所などの環境があるだけで、その割合は大きく変わってきます。
支援を行うためには、まずそのような生徒から、あるいは生徒の保護者から相談を受け、どのように支援や対応をしていくか話し合っていくことが大切です。 そういった観点から、学校での相談所の設置も支援の一環として、取り組まれています。
- 学校側では学校生活での支援、医療機関との連携、相談所の設置といった教育対応が行われている
- 医療機関との連携として、一般的な助言などを専門の医療機関に求めることで、より適切な支援ができるよう取り組まれている
- 学校側の対応として校内外におけるサポートチームを作り、教職員や養護教諭、学校医だけでなくスクールカウンセラーが含まれている現場もある
LGBTに対し教育分野で対応が必要な課題
LGBTに対し教育分野で対応が必要な課題
LGBTとは性的指向や性自認が大多数の人と異なる、性的マイノリティ(性的少数者:セクシャルマイノリティ)にあたる人々を指す言葉です。
性的指向は恋愛対象が誰であるかを示すものとされ、例えば女性が女性を恋愛対象とする女性の同性愛者(レズビアン)や男性が男性を恋愛対象とする男性の同性愛者(ゲイ)、女性と男性どちらも恋愛対象とする両性愛者(バイセクシャル)に分類されます。
それに対して性自認とは身体の性と心の性が不一致となる性同一性障害を表す言葉です。トランスジェンダーとも言われます。
これらは性的マイノリティの一部であり、他にも様々な例が確認されています。 性的マイノリティは多くの場合、思春期、つまり学生時代に気付くものです。
そして周りと自身が違うことから様々な困難に陥るケースが報告されています。特に性自認は身体と心の性の不一致から困惑することも多く、学校生活にも支障をきたすことも少なくありません。
周りもそうした人々に対し、少数派であることから正常ではないと判断し差別的な扱いするケースもあります。 実際に「気持ち悪い」、「男(女)のくせに」などと侮辱的な言葉を投げかけられることもあり、自尊感情を深く傷つけられることもあります。
さらにLGBTの子どもに対して理解を示し、ケアをしていかなければいけない教員でさえ偏見を持たれ他の生徒とは違う態度を取られたなどの例も報告されています。
多くの子どもや教員が1つの場所に集まって生活する学校という環境においては、このLGBTへの教育と対応が大きな課題となっています。
- LGBTとは性的指向や性自認が大多数の人と異なる性的マイノリティ(性的少数者:セクシャルマイノリティ)にあたる人々を指す言葉
- 性的指向は恋愛対象が誰であるかを示すものとされており、性自認とは身体の性と心の性が不一致となる性同一性障害を表す言葉
- 性的マイノリティは少数派であることから人とは違うということがいじめの対象となる、あるいは通常の生活を送れないという不安を持つ
教育現場におけるLGBTへの日本政府の取り組み
LGBTに関する教育分野での課題を受けて、日本政府では教育を含むLGBTへの対応として様々な取り組みを行っています。 2003年には性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律を成立させ、翌年7月に施行しました。
これによれば性同一性障害の定義や性別の取扱いの変更を裁判所でどのような条件で審判するか、また審判を受けた人に関する法令上の取り扱いなどについて規定しています。 この法令はLGBTの、特にトランスジェンダーに対しての対応となります。
これを皮切りに児童に対して教育現場での問題が多数あることが確認されたことから、2010年には、文部省から教育委員会への事務連絡として「児童生徒が抱える問題に対しての教育相談の徹底について」の発出を行っています。
その4年後の2014年には学校における性同一性障害に係る対応に関する状況調査を実施したところ、606件の教育相談などがあったことが報告されました。
そして2015年には「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」を発出し、性同一性障害に係る児童生徒への特有の支援など、具体的事項を取りまとめています。
さらに文部科学省では教職員向け手引きの作成と公表を2016年に行い、2017年にはいじめ防止対策推進法に基づく基本方針の改定が行われ、LGBTへの対応が盛り込まれることとなりました。
このように教育におけるLGBTに関しての政府の対応は進められています。しかし世界的に見ると日本政府は慎重な姿勢を見せていることから、海外と比較するとどうしても遅れている状況にあります。
例えばアメリカでは思春期にあたる中高生のLGBTコミュニティーの組織化を図り、教師を対象としたLGBT教育の徹底、一般人に対しても教育を進め、LGBTであっても過ごしやすい学校環境の構築ができるよう取り組まれています。
LGBTQIAとは
LGBTQIAとは
近年は性の多様化、そしてそれに対する認識が広まってきたことにより、これまで性的マイノリティであることを自認できなかった人が、自身がそうであると理解できるようになってきています。
そんな中で性の多様化により、LGBTだけでなく今ではQIAが加わり、LGBTQIAと言われることもあります。
QIAとは以下の通りの意味になります。
- Q(クエスチョニング:Questioning):自分の(心の)性が分からない、意図的に決めていない、または決まっていない人
- I(インターセックス:Intersex):生まれつき男女両方の身体的特徴を持つ人
- A(アセクシュアル:Asexual):誰に対しても恋愛感情や性的欲求を抱かない人、無性愛者(エイセクシャル)
このようにさらに性の多様化は進んでいます。LGBTQIA以外にも性的マイノリティがいること、そして未だ名前の付いていない性的マイノリティもいることから、LGBTQIA+とも表現されるようになっています。
また世界的に性的マイノリティへの理解が高まっていることもあり、自分の性自認や性的指向に関わらず、性的マイノリティに対して友好的な人や差別をしないアライ(Ally)と言う人たちも増えてきており、様々な活動を一緒に行っています。
- 性的マイノリティは増え続けており、性の多様化、そしてそれに対する認識が広まってきたことにより、これまで性的マイノリティであることを自認できなかった人が、自身がそうであると理解できるようになってきた
- 性の多様化により、LGBTだけでなくQIAが加わり、LGBTQIAと言われるようになってきている
- 性的マイノリティに対して友好的な人や差別をしないアライ(Ally)という人たちも増えてきている
多様化する性的マイノリティ
多様化する性的マイノリティ
現代において性的マイノリティは多様化していますが、様々な解決すべき課題があります。
性的マイノリティの人々への理解は広がってきているものの、まだ差別的な傾向にあることや、性的マイノリティへの配慮、そして性的マイノリティの精神的負担、それに伴う配慮の問題などが挙がります。
(出典:法務省「あなたがあなたらしく生きるために」)
(出典:参議院「LGBTの現状と課題」,2017)
性的マイノリティ
2015年から2016年にかけて数万人規模で行われた調査によると、性的マイノリティである人は日本国内で全人口の約8%になるという結果が出ています。
また人口規模に関しての公的な統計は未だありませんが、法務省が作成した人権啓発ビデオでは有識者が3~5%くらいだと考えられるといった発言も見られます。
このような性的指向、そして性自認は思春期に認識することが多いことから、学校における実態調査の必要性も問われていますが、文部科学大臣は、適切な語彙や定義などコンセンサスを作って検討したいと慎重な姿勢を見せています。
精神的負担や配慮
性的マイノリティの方が抱える精神的負担は小さくありません。
例えば他者との違い、個性を差別的に見ていじめにつながる学校生活では、「男(女)のくせに」、「気持ち悪い」などの心無い言葉を投げかけられ、自尊感情を深く傷つけられることがあります。 これは子どもの間だけでなく、教師から理解の無い言葉を浴びせられることも少なくありません。
学校生活だけでなく、社会に出てからもこのような差別的な見方をされることがあることから、「親を悲しませたくない」、「きっと誰にも理解してもらえない」、「異常だと思われないか」といった悩みを抱えるケースが発生し、自分を隠して周囲に合わせようとします。
これだけでも自分のありのままに生きられないことが負担となってしまいますが、結果として自己肯定感や自尊感情の低下が起こり、自殺を考える、自殺未遂におよぶと言うケースもあります。 ゲイやバイセクシャルの男性は、異性愛者と比較しても自殺未遂リスクが約5.9倍も高いというデータも得られています。
自分のありのままを打ち明けることが人間関係を崩す、いじめられるかもしれないという不安が自分を隠し、人に合わせなければいけないという社会を作り上げています。
そのため悪気が無くても軽はずみな言動で傷つく人がいるということを心に留め、また勝手に言いふらすような行為が人を傷つけるということを認識しておかなければいけません。
性的マイノリティへの配慮の欠如が現状の問題であり、そのような問題への対応、教育が今後の課題となります。
同性婚に対する今後の日本の課題
日本における同性婚の今後の課題
同性婚やパートナーシップ法を制定し、LGBTの人々の権利を守るという世界の動きがある一方で、日本では法整備が遅れています。 そのため、早急に同性婚あるいはそれに準ずる法律を成立させるべきだという動きも見られます。
同性婚やパートナーシップ法の制定もその一つといえます。しかしいくら法整備をしたとしても、日本に住む私たちの理解と配慮が不可欠です。 どのように理解を広め、LGBTを含む性的マイノリティの人々への配慮が得られるようにするか、その議論が必要と言えます。
また婚姻だけでなく、教育や医療、福祉、就労などの課題もあります。 例えば、教育であれば教職員への知識提供や児童、生徒へのLGBTに関する正しい教育、医療であれば医療者への知識提供や、法律上家族でない同性パートナーの想定、性同一障害者への対応などが挙げられます。
就労・仕事であっても企業の理解向上や、キャリア教育におけるLGBT包括、自立や就労支援機関による支援などが行われない限り、仮に同性婚を認可しても困難に直面することは変わらない社会が続いてしまいます。
法整備を進めると同時に、多面的な施策を行い、性の多様性への理解と配慮を広めていくことは何よりも大切なことです。